ビズリーチ・キャンパスのロゴデザインは、実はもともとビズリーチの別のサービスである「HRMOS採用」のために考え出されたデザイン案の一つでした。HRMOSの中心には「人を活かす」というコンセプトがあり、提案時に「人」という漢字を並べて桜の花の形にアレンジするアイデアが生まれたわけです。しかし、そのロゴはHRMOSのイメージには合わず採用されませんでした。

しばらくしてキャンパスのロゴをデザインすることになったとき、「桜」のメタファーは、学生を対象とするサービスにぴったりなのではないかと思い、思い切ってもう一度「桜」のロゴを提案してみました。

ロゴの桜の花には「人」という漢字が隠れているのですが、それに気づいた時に印象がグッと深まります。さらに、ビズリーチ・キャンパスが「人」を繋げるプラットフォームであることも表現されています。この幾層にも重なった意味や視覚的なレトリックが、ロゴに強さや説得力を与え、最終的に「桜」のモチーフが採用されました。

白紙の状態から描いていくのもクリエイティブですが、既存のものの可能性を再発見するのもまた、クリエイティブです。自分で作ったデザインを気に入ることは滅多にないのですが、このロゴは自分史上ベストなロゴだと思っています。もちろんそれはいくつもの偶然が重なり、僕のもとに舞い降りてきた花びらのように、創造性を飛躍させ、デザインの可能性を引き出してくれたことも大いにあるのではないでしょうか。